日本の商船などを海賊から守るため、アフリカ・ソマリア沖に派遣された海上自衛隊の護衛艦が、30日、護衛任務を開始しました。 ソマリア沖のアデン湾、危険な海賊多発地域を航行する船団。海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」と「さざなみ」の間に、日本の船会社が運行する自動車運搬船やタンカーなど5隻が挟まれる形で移動しています。 さらに上空からはヘリコプターが警戒、日本の船団はこの厳戒体制で、2日間かけてこの海域を通過します。「さみだれ」と「さざなみ」の2隻の護衛艦は、今後、ジブチと現場海域を往復して任務を行う予定です。 2隻の護衛艦は、海賊船の船体への射撃を認めるとした「海賊対処法」の国会成立を待たずに派遣されたため、警告のための威嚇射撃はできますが、相手に危害を加える武器使用は「正当防衛」と「緊急避難時」に制限されています。 「武装している海賊を威嚇射撃だけで止めることができるとは思わない」(海賊に詳しいジャーナリスト、イブラヒム・ミーヤー氏) 29日には、ドイツ海軍の補給艦が海賊の発砲を受けました。瞬時の対応が求められる状況で、武器使用をどう判断するか、課題を抱えたままの任務開始となります。(31日10:10)