おととし、東京・港区のマンションで、男子高校生がエレベーターにはさまれ死亡した事故。高校生の両親が12日、エレベーターの製造元などを相手取り、総額2億5千万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。 「もう待てないですね、本当に・・・。正直、こんなに時間がかかるとは思っていなかった」(息子を事故で亡くした市川正子さん) 突然の事故から2年半。最愛の息子、大輔さん(当時16)を亡くした母、市川正子さんが心境を語りました。 大輔さんは高校から帰宅途中、エレベーターを降りようとしたところ、突然、エレベーターのかごが上昇、体をはさまれて死亡したのです。 「2年半たっても事故調査機関がなく、原因究明がされていない。おかしいと思いません?」(市川正子さん) 進まぬ原因究明。調査機関の設置を求めて16万人分の署名を集めましたが、エレベーターを製造したシンドラー社などからは十分な説明はないといいます。 「これではまた同じ事故が起きかねない」。両親の心配が的中する事故が起きてしまいました。今月、京都のマンションで、大輔さんと同じようにエレベーターに女性がはさまれ骨盤を骨折したのです。 「同じような戸開走行事故。本当にくやしい」(市川正子さん) 大輔さんの19回目の誕生日となるはずだった12日、両親はシンドラー社などを相手取り、総額2億5千万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。 「今まで報告できないという悔しい思いをずっと耐えてきました。エレベーター事故を徹底的に原因究明していただきたい」(市川正子さん) (12日11:25)