マニラを舞台に開かれたASEAN地域フォーラムの一連の閣僚会合では、北朝鮮の核問題が主要テーマの1つとなり、議長声明では6か国協議での合意を歓迎しました。
北朝鮮の核施設停止を、「朝鮮半島の非核化に向けた第一歩に過ぎない」と、けん制する日本に対し、「我々は行動した。今度は他の国が行動する番だ」とする北朝鮮。今後の6か国協議を控えて日朝の鞘(さや)当てが繰り返されましたが、直接わたり合うことはありませんでした。
「私ども8月に日朝作業部会をすることが決まっている。そこの部分からスタートしないと、この種の話はなかなか難しいのでは」(麻生太郎外相)
一方、拉致問題をARF=ASEAN地域フォーラムの議長声明に盛り込み、今後の交渉の弾みとしたかった日本でしたが、北朝鮮を刺激したくないアメリカや中国の意向も働き、拉致という文言は盛り込まれず、「国際社会における人道問題」という表現にとどまりました。
今回の国際会議を拉致問題進展の足がかりとしたかった日本にとっては、少々物足りない結果となりました。(03日05:14)