この裁判は、4年前まで広島市内の市立中学校に通っていた19歳の男性が、当時、同級生4人から首を絞められるなどのいじめを受け、統合失調症になったとして、同級生や広島市などに損害賠償を求めているもので、広島市はいじめはなかったと主張していました。24日の判決で、広島地方裁判所の能勢顯男裁判長は「いじめは長期間にわたり執ように行われた」として、いじめがあったことと、それが原因で統合失調症になったことを認めました。そのうえで、担任の教師が生徒から事情を聴くなどの具体的な対策を怠り、いじめを放置していたと指摘して、同級生や広島市などにあわせておよそ830万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。これについて、広島市教育委員会の岡本茂信教育長は、記者会見で、「市の主張が認められず残念だ。控訴するかどうか対応を検討したい」と述べました。一方、男性の母親は「広島市の教育委員会はいじめを認めず、とてもつらい思いをしてきました。きょうの判決が、息子が回復する力になればいいと思います。裁判が長引くのは息子にとってもつらいことなので、広島市には控訴は断念してほしい」と話していました。
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