アメリカの情報機関がイラクのマリキ首相の指導力に強い疑問を呈した報告書を発表し、ブッシュ大統領は、身内の共和党からも撤退の決断を迫られています。
CIAなどアメリカの15の情報機関の分析をまとめた報告書、『国家情報評価』は、「イラクの治安は依然として悪く、アルカイダが高い戦闘能力を維持している」と分析し、マリキ首相の指導力に強い疑問を呈しています。
こうした中、議会共和党の実力者、ウォーナー前上院軍事委員長は、ブッシュ大統領に、イラク情勢報告の期限である来月15日までに撤退を決断するよう迫りました。
「国として断固とした行動を取らないまま、兵士たちの生命と身体を危険にさらし続けるわけにはいかないのです」(ウォーナー前上院軍事委員長)
ウォーナー氏は、およそ16万人にのぼるイラク駐留アメリカ軍のうち、まず5000人をクリスマスまでに撤退させるなど、出口戦略を明らかにするよう求めました。
身内の共和党からも方針転換を迫られ、ブッシュ大統領は、ますます厳しい立場に追い込まれています。(24日09:15)