アメリカの建国史上、初めての黒人大統領の誕生です。アメリカの第44代大統領にバラク・オバマ氏が正式に就任しました。オバマ新大統領は、「今、求められているのは新たな責任の時代だ」として、経済危機などの克服へ向けた結束と協力を訴えました。 厳戒態勢の首都ワシントン。オバマ大統領の誕生を祝おうと、早朝から200万人以上の人が集まりました。氷点下の厳しい寒さの中、聴衆はオバマ新大統領の登場を待ちました。そして、日本時間午前1時半過ぎ、オバマ氏が大統領就任式の会場に姿を見せました。 「アメリカ国民のみなさん、私は今、これからの任務を前に、謙虚な気持ちを持つとともに、みなさんから託された信頼に感謝の気持ちでいっぱいです」「アメリカは今、暴力と憎悪のネットワークと戦っています。私たちの経済はひどく弱っています。これは一部の人の欲と無責任さに起因するとともに、難しい決断をせず、また、新たな時代に向けた準備を怠ったためです」(オバマ新大統領) オバマ新大統領の当面の課題となる経済対策。それを象徴するかのように、ニューヨーク証券取引所の前には大勢の金融関係者が集まり、就任の様子を見つめていました。演説では、アメリカ再生のため、新たな責任の時代を認識するよう訴えます。 「私たちには今、新たな責任の時代が求められています。私たち自身、私たちの国、そして世界に対して義務を負っているという認識です」(オバマ新大統領) そして、自らの父親に思いをはせ、演説を締めました。 「60年前、地元のレストランに入るのを拒絶された父を持つ男が、今、あなたの目の前で最も神聖な宣誓を行うことができたのです」(オバマ新大統領) オバマ大統領は、就任式の後、連邦議事堂からホワイトハウスまでの2.4キロをパレードしました。乗っているのは、地雷を踏んでも吹き飛ばないと言われる専用車です。そして、ホワイトハウス到着間近、気温氷点下の中、10時間近く沿道で待ち続けた人々の間から、どよめきが起こりました。オバマ夫妻が車から降りて歩き始めたのです。ワシントンでは、オバマ夫妻が出席する公式祝賀会が10か所で行われるなど、祝賀ムードが続いています。(21日11:34)