京都大学の山中伸弥教授のグループが、体の様々な器官に変化できる「iPS細胞」を、ウイルスを使わずに作ることに成功したと発表しました。
京都大学の山中教授が世界で初めて作製したiPS細胞は、これまで、4つの遺伝子を組み込んだウイルスを細胞に感染させることで遺伝子導入する手法で作られてきました。
体の様々な器官に変化できる能力を持つことから、臨床応用への期待が高まっていますが、作製過程でウイルスを使うことでできた細胞に腫瘍(しゅよう)が発生する可能性があることが、問題視されていました。
今回発表されたのは、特定の順番に並べた遺伝子をリング状のDNA「プラスミド」に載せて細胞に挿入するという方法です。
マウスの細胞を使った実験では、作製効率はウイルスを使うよりも大幅に落ちるものの、腫瘍発生の恐れがなくなったことが分かったということです。
山中教授は、「細胞移植治療の実現に向けて大きな一歩」と話しています。(10日04:45)