去年、奈良県で高校1年生の少年が自宅に放火し、母親ら3人が死亡した事件をめぐり、少年の供述調書を掲載した本について、法務省は、東京法務局長名で、出版社と著者に対し謝罪などを求める勧告を行いました。
この事件を題材にフリージャーナリストの草薙厚子さんが書いた「僕はパパを殺すことに決めた」には、少年らの供述調書からの引用とされる記述が50ヶ所以上あります。
法務省は、「プライバシーを侵害していて、少年の社会復帰に悪影響を及ぼすおそれがある」と判断。「事件の重大性などを考慮しても、許される限度を明らかに超えている」として、草薙さんと講談社に対し、東京法務局長名で、謝罪や本の回収を含めた被害回復を図るとともに再発防止を勧告しました。講談社は「勧告を真摯に受け止めております」とコメントしています。(12日15:02)