イギリスの中央銀行・イングランド銀行は、アメリカのサブプライムローン問題で資金繰りが悪化した民間銀行に対し、およそ10兆円に上る金融支援策を発表しました。
イギリスの中央銀行であるイングランド銀行が21日に発表した金融支援策は、銀行が保有している優良な住宅ローン証券を最長3年間にわたって国債に交換できるというもので、総額は500億ポンド=およそ10兆円に上ると見られています。
アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融不安から、イギリスでは住宅ローン証券の売却が極めて難しくなっており、民間銀行の資金調達難が起きています。今回の金融支援策は、安全な国債を担保にした民間銀行同士の貸し借りを促し、住宅金融市場を活性化させるのが狙いです。
「経済全体に不安が広がってほしくないので、金融市場を安定させるためできることはすべてやる」(イギリスダーリング財務相)
ただ、中央銀行が今後3年間にわたって住宅ローン証券の焦げ付きリスクを背負うことになることから、公的資金の投入に近いものと見られ、一部に批判の声も上がっています。住宅バブルの崩壊と経済失速が懸念される中での今回の支援策は、金融当局の強い危機感の表れと見ることができます。(22日03:45)
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