鹿児島の志布志事件の取り調べで、親族の名前などを書いた紙を踏ませた元警部補に、福岡地裁は有罪判決を言い渡しました。
判決を受けたのは、鹿児島県警の元警部補・濱田隆広被告(45)です。
濱田元警部補は2003年、川畑幸夫さんを取り調べた際、親や孫の名前などの書いた紙を無理やり踏ませて自白を迫りましたが、川畑さんは「10回程度」。濱田元警部補側は「1回」と、紙を踏ませた回数がくい違っていました。
判決で林秀文裁判長は、回数を認定するのは困難としたうえで、1回でも踏ませたことは常軌を逸した違法な取り調べで、精神的苦痛を与えたと認定。取り調べに対する国民の信頼を損なったと述べ、懲役10か月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。
「残念なことに何ひとつ(取り調べの)真相は明らかになっていない。これを明らかにするには全可視化が必要だと思います」(「踏み字」の取り調べを受けた川畑幸夫さん)
取り調べの真相が結局この裁判でも解明されなかったことは、取り調べを録画、録音する可視化論議を加速させることになりそうです。(18日18:05)
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