注目の裁判が始まりました。音楽プロデューサー、小室哲哉被告らが曲の著作権をめぐって、投資家から5億円をだまし取ったとされる事件の初公判が開かれ、小室被告は大筋で起訴事実を認めました。 午前10時、緊張した面持ちで法廷に入った小室被告は、裁判官と傍聴人席に一礼し、静かに証言台につきました。そして、名前と職業を聞かれ、「小室哲哉です。音楽家です」と小さな声で答えました。 「お騒がせしました」(小室哲哉被告) 小室被告は開廷の2時間半前の午前7時半、大阪地裁に入りました。起訴状によりますと、小室被告は、グループ会社「トライバルキックス」の取締役だった木村隆被告と共謀し、2006年7月、投資家の男性に、自らが作曲した806曲の著作権を売却する話を持ちかけて、5億円をだまし取った詐欺の罪に問われています。 法廷で起訴事実について聞かれた小室被告は、「おおよそ合っています」と答えた後、「これから詳しく聞いて確かめたい」と、か細い声で話しました。 続く冒頭陳述で検察側は、2005年の時点で元妻への慰謝料や借金などおよそ17億8000万円の負債があったと述べ、被害者と会う前の木村被告らとの打ち合わせで小室被告が「著作権が二重譲渡されていることは言わなくていいよ」と話したとして、だますつもりがあったと指摘しました。 小室被告側は執行猶予付きの判決を求めていく方針ですが、被害額が5億円と大きいことから実刑を受ける可能性もあり、今後、被害者への弁済がどの程度なされるかが、判決に影響しそうです。(21日11:42)