国際テロ組織アルカイダによる新たなテロの脅威が指摘されるなか、インターネットなどを通じて中東全体に「アルカイダ思想」が広がっている実態を、イスラム過激派の元幹部が証言しました。カイロからの報告です。
「アルカイダはメディアをうまく使っている」(元イスラム過激派幹部ザヤト氏)
この男性は、アルカイダナンバー2、ザワヒリ容疑者と行動をともにしたこともある元イスラム過激派の幹部。男性は、アラブ諸国で急速に普及しているインターネットなどを通じて、アルカイダが単なる組織からいわゆるイデオロギー、思想に変わったと証言しました。
「ザワヒリたちは、インターネットを通じてアルカイダの思想をイスラムの過激派たちに広めているのだ」(元イスラム過激派幹部ザヤト氏)
レバノンで今も戦闘を続けている「ファタハ・イスラム」。彼らはアルカイダの思想に共鳴し、イラクで米軍と戦うための戦闘員を養成していました。さらに、他のアラブ諸国でも名前を「アルカイダ」に変更した組織が大規模テロを起こしているのです。
「若者はイラクやパレスチナの現状に憤慨し、アルカイダの思想に共鳴していく。エジプト国内どころか、ブッシュにも復しゅうをたくらむ」(元イスラム過激派幹部ザヤト氏)
「アルカイダ」は思想になった。それを裏付けるように、アルカイダのメッセージを発信するウェブサイトは、すでに4000を超えたといわれています。(20日06:02)