増え続ける野良猫問題。実は、全国で1年間に23万匹の野良猫が処分されています。この事態を憂慮した神戸のNGOが、春の繁殖期を迎える前に独自の対策に乗り出しました。 今月初め、1台のワゴン車がとあるお宅へと向かいました。その家の周辺に住みついている野良猫を捕まえるためです。キャットフードや、から揚げ、ちくわなどを捕獲器に仕掛けます。 早速、車の下に置いてみると、野良猫が来ました。こちらをじっと見つめて警戒しています。この猫が捕獲器に入るかと思いきや、別の猫が横からするりと入り込みます。あっという間に1匹目が捕まりました。ほどなくして2匹目も捕獲。一見残酷にも思えますが、この捕獲作戦には訳があります。 神戸市灘区。とらえられた野良猫たちが次々と運び込まれてきます。ここは「ノーモア・ホームレスアニマルクリニック」。猫が子供を産めなくする不妊去勢手術専門の病院で、3年前に作られました。 猫は平均で年に3回、1度に5~7匹の子猫を産みます。その半分がメスだとすると、計算上は1年で1匹の猫が50匹以上になり、あっという間に増えてしまいます。そして野良猫は神戸市だけで年に3200匹が炭酸ガスで処分されていて、全国となると処分されるのは年間23万匹に上ります。 猫に手術をして元の場所に戻し、地域ぐるみで1代限りの命を見守る地域猫活動を支えるため、この春、クリニックを中心に集中的な捕獲に乗り出したのです。 しかし、不妊手術をした上で地域で野良猫を育てようという活動は、必ずしも住民の理解を得られるとは限りません。神戸のクリニックの代表には、次々と捕獲の依頼が舞い込みます。 白い猫はなついているので、捕獲器は必要ありません。捕まえるのは茶色い方です。キャットフードを少しだけ置いておびき出します。そして5分後、捕獲器に入りました。 野良猫の寿命は5年ほどと言われています。その間に殺処分されるか、手術を受けて地域で天寿を全うするか。元はといえば飼い主に捨てられた猫の運命は、地域全体の取り組みにかかっています。(17日16:49)
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