現地時間20日の就任演説で、オバマ大統領はアメリカの再生を掲げ、理念よりは、むしろ具体的なアプローチに力点を置いた演説を行いました。経済面では、現在の危機の深刻さを率直に認めて、その克服への決意を示しました。 一方、外交面では、アメリカは新たな平和な時代の先導役を務めるのだと、単独主義から国際協調主義への転換を明確にし、8年間のブッシュ時代に名実ともに決別する内容だったと言えるでしょう。 CBSテレビの世論調査によると、79%の人がこの政権に対して「楽観的」と答えるなど、各種世論調査でも歴代断トツの支持率を誇っています。何かを変えてくれるのではないか、という国民の高揚感が、その背景にうかがえます。 オバマ政権にとっての最優先課題は何といっても景気回復です。このため、既に過去最大の対策づくりに着手していますが、景気後退はむしろ深刻さを増していて、よくなる兆候はありません。 一方、外交面では、イラクから安全に駐留米軍を撤退させること、そして、アフガニスタンに3万人規模の増派を行って、テロとの戦いに終止符を打つことを目指してはいますが、いずれも大変な難題です。 期待が大きいだけに、世論と政権のハネムーンと言われる最初の100日の間に、どれだけスタートダッシュで成果が出せるのか、まず、これが当面問われることになりそうです。(21日11:36)