中国への返還後、初めて複数候補で争うことになった香港の行政長官選挙で、中国政府と関係が深い現職候補が再選されました。
当選したのは、中国・中央政府の信任が厚い現職の曽蔭権氏。高成長が続く中国との連携を強め、安定的な経済成長を目指ざすことを公約に掲げて、800人の選挙委員のうち649票を集めました。
しかし、今回の選挙で注目を集めたのは、民主派の躍進です。弁護士で立法委員の梁家傑氏は、中国政府に言いなりの政策決定に反発する選挙委員の支持を受け、中国返還後10年にして初めて選挙戦に持ち込み、予想を上回る票を獲得しました。
梁家傑氏は、「5年後の長官選挙は市民が直接投票で選ぼう」と訴えました。今回の行政長官選挙では、現職勝利の陰に、香港の市民が渇望する民主化の姿がはっきりと見えました。(26日01:49)