グルジアが南オセチア自治州へ進攻した後、ロシアのメドベージェフ大統領は次々と強硬姿勢を打ち出しています。リベラルと見られた大統領に決断を促したものは何なのでしょうか。
「(独立承認は)容易な選択ではないが、市民の命を守る唯一の方法である」(ロシア・メドベージェフ大統領)
独立承認に踏み切ったメドベージェフ大統領は、南オセチアに侵攻したグルジアの意図を、「市民を絶滅し、併合しようという非人間的な試み」と、ファシズムになぞらえる表現で指弾しました。
今年2月にコソボがセルビアから独立を宣言した後も、ロシアは2つの地域からの独立承認要請に沈黙を守り、国際社会との軋轢(あつれき)を避けてきました。
帝政時代からロシアは、コーカサス地方のキリスト教民族を保護してきた歴史を持っています。今回、オセチア人とアブハジア人に対するグルジアの武力行使を見逃せば、メドベージェフ政権は連邦を構成するほかの民族の信用を失い、内部崩壊しかねないという強い危機意識があったと見られます。
ロシア国内では、欧米との対立を危ぶむ声よりも、ソ連崩壊後、初めて軍隊を国外に派遣し、ロシアの意志を示したメドベージェフ大統領の決断を評価する空気が支配的です。
国際社会との協調をかなぐり捨てて、あえてこのまま孤立の道を進むのか、メドベージェフ政権は、今、歴史的な岐路に立っていると言えます。(28日09:48)
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