経営難のアメリカ自動車大手「ビッグ3」の救済法案が、アメリカ議会の下院で可決されました。しかし、上院では反対論も根強く、成立するかどうか予断を許さない情勢です。 アメリカ議会下院は、10日、資金繰りで破綻する可能性のある「ビッグ3」に対し、140億ドル、およそ1兆3000億円のつなぎ融資を行う救済法案を賛成多数で可決し、上院に送りました。 法案は安易な救済という世論の反発に配慮して、つなぎ融資と引き換えに大統領が経営監視人を指名、その監視の下に、来年3月末までに抜本的な経営改善計画の提出を求め、それができなければ融資の返済を求めるとしています。 「期間の終わりに、ビッグ3を持続可能なものにするだけの計画がないのであれば、政府はお金を返してもらいます」(カプラン大統領副補佐) しかし、ホワイトハウスと議会多数派である民主党指導部による苦心の末の合意にも関わらず、上院の共和党議員からは、「救済は問題解決にはならず、むしろ悪化させるだけだ」などと反対論が噴出しています。 「これは『頭金』にすぎず、このあと何十億ドルものお金をつぎ込むことになる」(共和党・シェルビー上院議員) 「この問題は市場に任せる必要があります。これは政治ではなく、ビジネスの問題です」(共和党・デミント上院議員) ブッシュ政権は、チェイニー副大統領まで動員して、破綻は回避すべきだと、身内の共和党議員への説得を続けていますが、上院は共和党と民主党の議席数が拮抗しているだけに、最終的に成立するかどうか、その行方は予断を許しません。(11日09:39)