ロシアのメドベージェフ大統領は5日、初めて年次教書演説を行い、オバマ氏が次期大統領に決まったばかりのアメリカに対し、ミサイル防衛での対決姿勢を示しました。
メドベージェフ大統領は、アメリカ大統領選挙の当日を選び、金融問題への対応やNATOの拡大路線に触れながら、アメリカへの批判を繰り返しました。
特にミサイル防衛システムのポーランド配備に対抗するため、2010年に予定されていたモスクワ近郊のミサイル部隊の解体を中止する一方、最新鋭の戦術ミサイルをポーランドと国境を接するロシアの飛び地・カリーニングラードに新たに配備する計画を明らかにし、「力には力で対抗する」意思を示しました。
「(アメリカの)ミサイル防衛システムを必要とあれば無力化するため、ミサイルシステム“イスカンダル”をカリーニングラードに配備する」(ロシア・メドベージェフ大統領)
イスカンダルシステムの射程はおよそ300キロ。ポーランドの首都ワルシャワを攻撃することが可能となります。
メドベージェフ大統領は、さらに演説の中で、大統領の任期を6年に延ばすことや議会の権限の強化など、強いロシア復活のための布石も明らかにしています。
メドベージェフ大統領は、来年誕生するオバマ政権に向けて、ロシアとの融和か、それとも対決かを迫る強烈なメッセージを送ったと言えます。(06日03:42)