ヨーロッパ歴訪中のアメリカのブッシュ大統領は10日、アルバニアを訪問し、アルバニアの隣の国、セルビアのコソボ自治州の独立支持を改めて強調しました。コソボの独立はロシアが強く反対しており、ブッシュ大統領の発言はロシアを刺激しそうです。
バルカン半島に位置するアルバニアをアメリカ大統領が訪問するはこれが初めてで、首都ティラナは歓迎ムード一色となりました。
アルバニアが国を挙げてブッシュ大統領を歓迎するのには訳があります。住民のおよそ9割がアルバニア系で、現在は国連の暫定統治下にあるコソボの独立の手助けになると考えるからです。
「米国が受け入れられるのは、G8の中の多くの国もそうだと思うが、プロセスがどうであろうと、最後に(コソボが)独立することだ」(ブッシュ大統領)
ブッシュ大統領は、アルバニアのベリシャ首相との共同記者会見で、コソボ自治州の独立を支持する考えを改めて示しました。コソボを巡っては、独立支持のアメリカ、ヨーロッパ諸国に対し、独立を阻止したいセルビアを支援するロシアが、国連を舞台に対決する構図となっています。
ブッシュ大統領がコソボ独立を訴えるアルバニアを訪問すること自体が、ロシアに対するメッセージと言えるかもしれません。
また、ブッシュ大統領は、今回、サミットの際の米ロ首脳会談を挟んで、チェコ、ポーランドと、ロシアが強く反発しているミサイル防衛システムの配備予定地も訪問し、ロシアを強く刺激しました。
ブッシュ大統領は、来月1日、2日とロシアのプーチン大統領をアメリカに招いて首脳会談を行うことにしていますが、今回のヨーロッパ歴訪はその前哨戦だったと言えるかもしれません。(11日09:36)