旧厚生省の元事務次官らが相次いで襲われた事件は、捜査本部の調べで、東京と埼玉の事件の犯人の靴は、別々の種類のものだったことが新たにわかりました。 さいたま市南区の山口剛彦さんの自宅前には、玄関の部分にはいまだにブルーシートがかけられていますが、その玄関の部分からは犯人の足跡を示すチョークの跡が残っています。 犯人は山口さん夫婦を刺した後、土足で室内に上がっていたことが分かっていますが、埼玉の現場と東京・中野区の現場のそれぞれに残された足跡を鑑定した結果、いずれもスニーカータイプの運動靴でしたが、種類は違っていたことが新たに分かりました。 捜査本部は、犯人が山口さん夫婦を殺害後、血のついた靴を履き替え、翌日、吉原さんの自宅で犯行に及んだ可能性があるとみて、それぞれの靴の流通ルートの特定を急いでいます。 また、現場から検出した複数の指紋を鑑定した結果、家族や関係者以外の指紋が見つかっていないことも新たにに分かりました。指紋を拭き取ったような跡もなく、犯人が手袋をはめるなど指紋を残さないための何らかの手段を用意して、犯行に及んだ可能性が高いとみられます。 また、ダイニングのテーブルには夕食のおかずが数点並べられていましたが、“ごはん”は盛りつけ前の状態だったことも新たにわかりました。 午後5時51分に山口さんが美知子さんに電話をしたことを示す携帯電話の記録や、「男性の叫び声を聞いた」という近所の人の証言から、捜査本部は、犯行時間は午後6時以降の夕食前の時間帯だった可能性が高いとみて、不審な人物や車などを目撃した人がいないかなど捜査を進めています。(20日16:51)