欧米諸国などによるリビアへの軍事介入は2日目の夜を迎えていますが、アラブ諸国の中からは爆撃について批判の声も上がっています。
19日に始まった軍事作戦では、これまでにアメリカ軍とイギリス軍が巡航ミサイル「トマホーク」を120発以上発射し、沿岸部の防空施設などを攻撃しました。
また、明け方にはアメリカ軍のステルス爆撃機など19機が政権側の飛行場におよそ40発の爆弾を投下。さらにロイター通信などによれば、アラブ諸国として初めてカタール軍機もまもなく参戦するということです。
劣勢だった反体制派も東部のアジュダビヤなどに向かい、カダフィ政権側に掌握された都市の奪還を目指しています。
「全てのリビア国民が殉教者になる覚悟をしている。勝つのは我々だ。死ぬのは欧米人だ」(リビアカダフィ大佐)
これに対し、カダフィ大佐は国営テレビで音声で演説、徹底抗戦の姿勢を崩していません。また、リビア軍は日本時間の午前4時から、2日ぶりに即時停戦を宣言しましたが、AFP通信によれば、その後、首都トリポリのカダフィ氏の自宅付近から煙が上がっているということです。
「きのうの作戦はうまくいきました」(アメリカマレン統合参謀本部議長)
こうした中、アメリカのマレン統合参謀本部議長は、既に飛行禁止区域には政権側の航空機が飛んでいないと語りました。
一方で、カダフィ政権側が多国籍軍の攻撃で市民64人が死亡したとしている事について、マレン議長は、「そういう報告は受けていない」と述べています。
これに対し、国連安保理決議を支持したアラブ連盟のムーサ事務局長は、「われわれが望むのは市民の保護であり、爆撃ではない」と攻撃の行き過ぎを批判。今後こうした声が広がれば、作戦の展開に影響が出る事も考えられます。(21日05:22)
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