バルト海沿岸のエストニアで、第二次世界大戦を戦った旧ソ連兵士の像が撤去されました。これに反対するロシア系市民およそ1500人が暴徒化し270人以上が逮捕され、両国間の緊張が高まっています。
エストニアの首都タリンでは27日未明に像の撤去を反対するロシア系市民1500人が兵士像の周囲に集まりましたが、催涙ガスや放水車によって警官隊に排除されました。
その後、警備の手薄になった市内で暴徒化した市民が商店のガラスを割って略奪したり車を破壊するなどしたため、警官隊によって273人が拘束されました。この混乱で警官13人がけがをしたほか市民1人が死亡しました。
こうした事態を受け、エストニア政府は市の中心部を封鎖するとともに、ソ連兵士の像を予定より早め、27日のうちに解体しました。
一方、ロシア政府はラブロフ外相が「両国関係に深刻な影響をもたらす」と警告したほか、ロシア上院はエストニアとの国交断絶をプーチン大統領に求める決議を採択しました。
モスクワではエストニア大使館前に抗議の議員や活動家がピケを張っているほか、ロシア国内でエストニア製品の不買運動がはじまるなど、両国関係は緊張を高めています。(28日02:58)