屋内退避圏にある原町中央産婦人科医院の高橋亨平院長(72)は「南相馬は真空地帯になり、物資が一切入らなくなった。医薬品も食料もガソリンも、生活物資も、何もかも」と話す。
市内の医療機関は混乱し、入院患者への食事を1日1~2食にしてしのぐ病院もあった。必要な薬や血液を入手できずに患者が亡くなったケースもあった。
高橋院長は「入院患者を退避させるなど安全確保もできないうちに、政府の一言が物流を止めた。人の命をどう考えているのか」。3月18日まで診療を続けていたが、物資がないため、一時市外へ避難。だが、22日に診療を再開させた。
その日だけで訪れた患者は約100人。市内で受診できる唯一の医療機関だったためだ。「地域医療を守るとか大げさなものでなく、患者さんがいるから」と高橋院長は言う。
やがて、避難先から戻る住民も出始めた。避難生活で孫が体調を崩し、自宅に戻ったという女性(64)は「もしここがなければ我慢して福島に残っていたかもしれない」と話す。
約150人が避難生活を送る市立原町第一小学校。菊池キヨコさん(81)、正子さん(59)の母娘は先月17日からここで暮らす。自宅は避難指示圏にあり、正子さんは9年前に患った脳梗塞で左足にまひが残る。キヨコさんが介護をしてきた。
「(障害のある)娘が一緒だと、遠ぐにはいげね。トイレが大変なんだよ」。キヨコさんは、屋内退避圏にある避難所をあえて選んだ理由をこう説明する。
避難所には週に2回、市立総合病院の医師が巡回診療に訪れる。だが、今後、市外へと避難しなければならない事態になったときを考えると、「不安だわよ、本当に。遠ぐまで先生が来てくれるのか…」とキヨコさんの表情が曇る。
实用单词解析:
◆我慢(がまん): (1)〈仏〉我慢,自高,傲慢.
(2)〔耐え忍ぶ〕忍耐,忍受,容忍,自制.
(3)〔許す〕饶恕,原谅.◆体調 (たいちょう):健康状态,身体条件.
◆障害 (しょうがい): (1)〔さまたげ〕障碍',妨碍'.
(2)〔からだの〕障碍',损害,毛病,故障.
(3)〈体〉跳栏.