アメリカが東ヨーロッパで進めているミサイル防衛計画について、アメリカとポーランドが正式に合意しました。交渉難航から一転、合意した背景には何があったのでしょうか。
ワルシャワで行われたMD計画の調印式。交渉は難航していただけに、突然の合意は国際社会を驚かせるものでした。
MD計画はチェコにレーダー、ポーランドに迎撃ミサイルを配備して、イランなどからのミサイル攻撃を防ごうというものですが、ロシアは「核抑止力の低下を狙ってロシアを標的にしたものだ」と反発しています。
ここは軍の飛行場だった場所です。迎撃ミサイル10基は、あちらの林の手前あたりで建設されることになっています。ポーランド北部の建設予定地では、反対運動が起きていました。
「本当に怖いですよ」「将来私たちがどうなるかわかりません」(地元住民)
ところが、世論を変えたのがグルジアでの軍事衝突でした。これまで国民の過半数がMD計画に反対でしたが、先週の世論調査では60%が賛成と逆転。ロシア軍の脅威を目の当たりにした国民の多くが、アメリカ主導の安全保障を求めるようになったというのです。
「世論の変化に驚いている。この変化でMD計画が国民に受け入れられやすくなった」(ワルシャワ大学・ミハウェク教授)
一方、ロシアは「ミサイル基地を設置した場合、ポーランドも核攻撃の対象になりうる」と警告していて、今回の合意が新たな冷戦の幕開けとなるのではないか、そんな懸念も広がっています。(21日08:49)
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