経営再建を迫られている日本航空。17日の社長会見で収益性の低い国際線の運休・減便や、収益性を高める「ビジネス客獲得策」が打ち出されました。日本を代表してきた「翼」の復活はなるのでしょうか。
「低収益路線のリストラの強化。中・小型機の導入によるダウンサイズの加速」(日本航空西松社長)
経営再建を迫られるなか開かれた今年初めての日本航空の会見。西松社長は今年春以降、収益性の低い成田-チューリッヒ便の運休や、成田-香港、広州便の減便を明らかにしました。
一方、ビジネス客の多いニューヨークやパリ、また、経済発展を続ける中国・大連、ベトナム・ハノイなど、収益の望める路線は増便とするなどの再編計画を打ち出しています。
さらに、2007年度からは国内線にも新たにファーストクラスの導入を決定。利益率の高いビジネス客の取り込みに懸命です。
ここ数年相次いだ運航トラブルや内紛問題による顧客離れ。また、去年は株主総会直後の「増資」発表が引き金となり、株価が低迷。日本航空は、自らが引き起こした逆風と視界不良のなかフライトを続けてきました。
そして燃料費の高騰の影響もあり、去年秋の中間決算では、本業の「航空」での利益を示す営業利益が、一年前からマイナス48.3%とほぼ半分に落ち込んだのです。
こうしたなか来月6日、中期経営計画が発表されますが、主な柱は、2007年度からの3年間にグループ内で3000人の人員削減。およそ10の国内・不採算路線の廃止などとなる見通しです。
「苦渋の選択をしていることにつきまして十二分にご理解いただきながら、計画を進めていく」(日本航空西松社長)
「日本の翼」が輝きを取り戻す日は来るのか。再建の鍵を握り追加融資を検討中とされる主力取引銀行も、来月の再建策の内容に注目しています。(17日16:50)