日本人の元看護師が覚せい剤を密輸したとして、マレーシアで逮捕・起訴された事件です。２５日、現地の裁判所が、この元看護師に対して言い渡した判決は死刑でした。
「私の主張を全く聞いてもらえないのは悔しいです」（竹内真理子被告〔判決後〕）
死刑判決を受けた東京・目黒区の元看護師、竹内真理子被告（３７）。竹内被告は２００９年、クアラルンプール国際空港で税関を通過する際、持っていたスーツケースの中から覚せい剤およそ４キロが見つかり、逮捕されました。
マレーシアでは、薬物の密輸で有罪が確定した場合、一律に死刑が適用されます。裁判の焦点は、竹内被告に密輸の認識があったかどうかでした。
「裁判所は竹内被告が“中に何が入っているか”知った上でスーツケースを運んでいたと信じ込んでいる。しかし彼女は何も知らなかったのです」（竹内被告の弁護士）
竹内被告は判決に先立ち、拘置所内でＪＮＮの取材に応じた際も、スーツケースについて、「ドバイで外国人の男から預かったもので、覚せい剤が入っているとは知らなかった」と話し、密輸の認識はなかったと強調しました。
男とは東京で知り合った後、ビジネスクラスのチケットをプレゼントされてドバイへの旅行に誘われ、帰国の際、「友達の荷物を代わりに持っていってほしい」と頼まれたといいます。
「（スーツケースの）中身は知らなかったので、そこをきちんと評価していただければ」（竹内真理子被告〔判決前〕）
しかし、裁判長は、「４キロの覚せい剤が入ったスーツケースを持てば、その重さで中身を疑うのが自然だ」と述べたほか、竹内被告が何度もマレーシアに入国していたことなどを挙げ、「事情を知った上で運んだのではないか」と指摘しました。
今回の公判は、日本では一審に当たるもので、竹内被告側は控訴する予定です。（25日18:02）
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