Ｇ２０サミットは首脳宣言を採択して閉幕しましたが、最大のテーマであるヨーロッパの債務危機については不安感が残ったままとなりました。
「ギリシャの国民投票をめぐるドタバタに振り回された感のある今回のＧ２０。しかし、採択された宣言を見れば、本来の焦点はイタリアだったことがわかります」（記者）
「イタリアが信用回復に向けて必要な努力を行ったことをたたえます」（フランスサルコジ大統領）
Ｇ２０が行われている間にも、国債の利回りが上昇。ユーロ導入以降、最も高くなったイタリア。ギリシャと違って影響も大きいため、ここへの危機の延焼を食い止めることはユーロ圏にとって至上命題です。
イタリアが「四半期ごとにＩＭＦのモニタリングを受ける」と首脳宣言に明記したのは、ＩＭＦの信用力を使ってイタリアに対する市場の信頼を回復しようという狙いからです。
ただ、イタリアを支えることにもつながる、ＥＦＳＦ＝ヨーロッパ金融安定化基金の拡充については、拡充のための資金を出すと確約した国はありませんでした。
「市場の時間軸と民主主義の時間軸は違うんです」（ＥＵファンロンパイ大統領）
「これは短距離走ではありません。マラソンなんです」（欧州委員会バローゾ委員長）
しかし、その時間軸、あるいはスピードの差が時に決定的な意味を持ちかねないことも、ユーロ圏のリーダーたちは十分わかっています。欧州危機の綱渡りはまだまだ続きます。（05日11:47）
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