男子プロゴルフツアー三井住友VISA太平洋マスターズ最終日(13日、静岡・太平洋C御殿場C=7246ヤード、パー72)14位から出た石川遼(20)=パナソニック=が17番で自身2度目のホールインワンを決め、18番でウオーターショットを見せるなど観客を魅了。67の猛追で通算9アンダー8位となった。3位に食い込んだ賞金ランク首位の韓国の裴相文(べ・サンムン、25)=フリー=との差は約6360万円に開いたが、今大会での賞金王消滅は阻止。優勝した同学年の松山英樹(19)=東北福祉大2年=と一緒に“石松”新時代を作ることを誓った。
コース中に響き渡った大歓声がミラクルを教えてくれた。石川は一瞬、何が起こったか分からなかった。17番、228ヤードのパー3。4アイアンで打ったボールはピン手前13メートルに落ちて傾斜を駆け上がると、フックラインに乗りカップへ消えた。
打った瞬間の感触は十分だった。視力が弱くグリーン上が見えないため「皆さんの声で分かった」と言う。昨年のパナソニックオープン第2R6番以来ツアー2度目のエースで副賞の300万円をゲット。目をまん丸にしてグリーンに向かっていた足を止めると、帽子を脱ぎ“飛行機ポーズ”。ティーグラウンドに駆け足で戻り、観客とハイタッチしまくった。
この時点で首位と1打差。「まだまだ優勝はあきらめちゃだめ」。迎えた最終18番パー5。「理想はイーグルだったけどひどいショットだった」。フェアウエーから2オンを狙ったが、グリーン右前にある池へ。ボールは完全に水沈し、靴と靴下を脱いで冷たい池の中に足を入れた。ウオーターショットは、目の前の土手に当たってグリーン奥へオーバー。結局パーが精いっぱいで、今季初勝利は夢に終わった。
久しぶりに観客を熱狂させたド派手なラウンドで賞金王消滅を阻止。だが一方で、裴との差は6361万105円に開いた。優勝賞金4000万円の残り3戦中、石川はプレジデンツカップ出場で1、ライバルは米ツアー最終予選会挑戦で2戦を欠場する。石川が出場しない次戦ダンロップフェニックスで裴が2人までの2位以上になれば、ジ・エンド。「僕は2試合連続優勝を目指して頑張るだけ」。超プラス思考の20歳。日本シリーズJTカップまで賞金王レースの火は消さない。
◆賞金王の行方残り3戦はすべて優勝賞金4000万円で計1億2000万円。現在、トップの裴は1億5015万2708円を稼いでおり、3015万2708円に満たないランク30位以下の選手の可能性は消えた。裴の最短賞金王決定は今週のダンロップフェニックス。優勝なら、ランク3位の谷口徹が単独2位でも8848万3764円差となるため決定。裴が2人までの3位以内に入った場合も他の選手の成績次第で決まる。
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◆魅了 (みりょう):夺人魂魄、入迷
◆熱狂 (ねっきょう):狂热◆次第 (しだい) :情况、缘由