福島第一原発でメルトダウンした燃料が現在、どのような状態なのか解析した結果を東京電力が初めて明らかにしました。燃料は圧力容器を突き抜け、格納容器の床のコンクリートを一部、溶かして固まっている状態だとしています。
これは、原子力安全・保安院が専門家らを招いて開いた検討会で明らかにされたもので、東京電力がコンピューターで解析した結果を明らかにしたものです。
解析によりますと、燃料の損傷は1号機が最も大きく、圧力容器を突き抜けて格納容器の床に燃料の多くが落下し、コンクリートの床面を65センチ程度溶かした状態で固まっていると推定しています。2号機と3号機では、格納容器に落下したのは最大で6割程度だとしています。
また、格納容器内の気体の分析結果などから、現在はコンクリートが溶け続けている状態ではなく、冷却水は届いていて、燃料は冷えているとしています。
政府と東京電力は、福島第一原発の原子炉が安定した状態だとする、「冷温停止状態」の年内の発表を目指していますが、「燃料の状態がわからないのに発表できるのか」と批判の声が上がっていました。こうした背景から今回の発表となりましたが、示されたのは「推定」に過ぎないうえ、最近では原子炉への注水量を減らしたのに想定通り原子炉の温度が上がらない事態も起きていて、今後も手探りの復旧作業が続くことになります。(30日17:32)
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