ほぼ全ての避難世帯が一家離散を経験している実態が浮き彫りになりました。福島第一原発の事故によって避難を余儀なくされている世帯のうち97.9%が、避難によって家族が離れ離れに生活する、一家離散を経験していることが福島大学の調査で分かりました。
これは21日、政府の原子力損害賠償紛争審査会に福島大学が報告した調査結果です。調査は今年9月から10月にかけて、東京電力・福島第一原発の周辺の8つの町村の避難住民、1万3576世帯を対象に行われました。その結果、避難世帯のほぼ全てに当たる97.9%の家庭で、震災後の避難によって、元々、一緒に住んでいた家族が離れ離れになる“一家離散”を、少なくとも1度は何らかの形で経験していることが分かりました。
職場や学校の関係で別々に暮らさざるを得なかったり、仮設住宅の居住スペースが限られ全員で住めなかったなどのケースもあるということです。また、全体の8割以上の世帯が3回以上、避難先を変えたことも分かっていて、原発事故で多くの家庭が一家離散を経験しながら避難先を転々とせざるを得なかった実態が、改めて浮き彫りとなりました。
調査を行った福島大学の丹波史紀准教授は、「国はこうした避難の実情を汲んで、賠償の線引きによって家族、地域のつながりが壊れないようにするべきだ」と提言しています。(21日19:17)
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