3年前、東京・港区で男子高校生がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁は、エレベーター製造元の「シンドラーエレベータ」と管理会社の社員ら6人を書類送検しました。 業務上過失致死の疑いで書類送検されたのは、エレベーター製造会社「シンドラーエレベータ」の元保守部長(57)ら2人とエレベーター管理会社「エス・イー・シーエレベーター」の鈴木孝夫社長(65)、管理担当者(29)ら4人のあわせて6人です。 この事故は2006年、港区のマンションで都立高校2年だった市川大輔さん(当時16)がエレベーターの天井と床に体を挟まれ死亡したものです。 警視庁の調べによりますと、「エス・イー・シー」社の鈴木社長や管理担当者は、事故機のエレベーターのブレーキの構造などを十分に調査しないで管理にあたっていたことなどから適切な保守点検を怠った疑いが持たれています。 また、「シンドラー」社の元部長らについては、「シンドラー」社が管理を担当していた2004年に起きたブレーキトラブルの情報を引き継がなかったことなどで管理責任を問われていますが、事故機のエレベーター自体に問題はなかったとして製造責任での立件は見送られました。 「前兆がなければ発見は不可能。偶発的なものを予測して発見することは非常に難しい」(書類送検された「エス・イー・シーエレベーター」専務) 警視庁の調べに対し、「シンドラー」社も「エス・イー・シー」社も、「点検で特に異常は見つからなかった」と容疑を否認しています。 「それよりも返してほしいですね。息子を返して頂きたい」(事故で息子を亡くした市川正子さん) 一方、市川さんの母親・正子さんは事故からおよそ3年が経っての書類送検について、「起訴という形になって初めてスタートラインだと思う」と話しました。(30日13:06)