アメリカの自動車大手3社「ビッグ3」の首脳が、4日、先月に続いて議会で証言し、改めて3兆2000億円にのぼる公的資金による救済を要請しました。 先月、公的支援を要請した際、自家用ジェットでやってきたことが強い批判を浴びた「ビッグ3」の首脳、今回は3人ともデトロイトから850キロの道のりを環境カーでやってきました。 「とても良い経営改善計画をたてたと思います。お願いしているものが得られると期待しています」(GM・ワゴナー会長) 公的支援への再挑戦となった4日の上院での公聴会で、「ビッグ3」のトップは、リストラ策などを盛り込んだ経営改善計画を説明して、総額340億ドル、およそ3兆2000億円にのぼる公的資金による救済を改めて求めました。 「GMは100年にわたりアメリカ文化の重要な一部でしたし、ほとんどの時期は世界のリーダーでした。しかし、過ちも犯しました。だから今、私はここにいます」(GM・ワゴナー会長) 「クライスラーは、今後も提携や統合といった新しいビジネスモデルを追求します」(クライスラー・ナルデリ会長) 「潰れたら大変だ」という脅しに受け止められた前回の失敗を反省してか、今回は「過ち」も認め、なるべく前向きなメッセージを送るという作戦でしたが、最終的に破綻を避けるためには、とてもこの額では足りないという試算も示されるなど、「ビッグ3」のシナリオには、依然、懐疑的な見方が残りました。 「帰りも車ですか?発表では行きも車ですよね」(共和党・シェルビー上院議員) 「はい、その通りです」(クライスラー・ナルデリ会長) 労働組合、UAWの委員長は、今月中に政府支援がなければGMが倒産するとの見通しを公にしましたが、「ビッグ3」救済に対する世論の反発は予想以上に強く、救済法案がまとまるかどうかは、依然、不透明です。(05日08:46)