「暴行の指示はしていない」。時津風部屋の当時17歳の力士が、稽古中に暴行を受け、死亡した事件の初公判が開かれ、前の親方は起訴事実を否認し、全面的に争う意向を示しました。 「納得いく判決が出るまで、私は最後まで闘う。私がつぶれるか、山本さん(前親方)がつぶれるか。本当のことを言って欲しい」(父親の斉藤正人さん) 事件はおととし6月、愛知県犬山市にある時津風部屋の宿舎で起きました。序ノ口力士の時太山、本名・斉藤俊さん(当時17)が、兄弟子3人から暴行を受け、死亡しました。 その暴行を指示したとされている当時の親方、山本順一被告(58)。逮捕から1年ぶりの公の場。法廷に姿を現しました。 黒い背広に身を包み、ひげもキッチリ剃っていた山本被告。正面を見ながら一言お詫びした後、起訴事実についてこう述べました。 「兄弟子に暴行の指示はしていません。ぶつかり稽古も通常のもので、制裁目的ではありません」(山本順一被告) 暴行への関与を全面的に否認しました。 検察側は、冒頭陳述で、稽古と称した暴行の様子を細かく説明しました。 「お前らも教えてやれ」 ビール瓶で殴った上、親方として斉藤さんへの暴行を促した山本被告。兄弟子3人は、土俵脇の柱に斉藤さんを縛り付け、木の棒で繰り返し殴りました。 しかし、山本被告は・・・ 「お前ら、あんまりやってないなぁ。顔とか全然腫れてないじゃないか」 この翌日、通常5分が限度とされる「ぶつかり稽古」を30分も行い、斉藤さんは死亡。検察側は、このように稽古の形を取った暴行で死に至らしめたと主張しました。 傍聴席の一番前で、遺影を胸に、時折、拳を握り締め、じっと聴いていた父親の正人さん。隣の席に座った記者のノートに、こう記しました。「とにかく早く認めて罪を償って欲しい。本当のことを言って欲しいです」。 (12日16:05)
(本网站视频文件将在10日后进 行删除)